1994年01月01日

聖母の家人権裁判とは

三重県四日市にある社会福祉法人聖母の家が経営する知的障害児・者施設「聖母の家」において、利用者である知的障害者に対する虐待・人権侵害が連綿と行われています。

そのことに疑問をもった職員有志が「療育研究会」という自主的研修会を作り、改善を図るため具体的提起を行ったところ、管理者から嫌悪され、嫌がらせを受け、その中心メンバーが排除されたため、裁判で争われています。

その1人である女性職員は、証拠を捏造された上で解雇事由をでっち上げられた。裁判所は、聖母の家において、「人権侵害は伺われる」としたが、聖母の家の捏造した嘘に惑わされた結果、14の解雇事由の内、8件の解雇事由があるとした。最高裁判所まで争われたが、解雇撤回はなりませんでした。

他方、もう一人解雇された加藤光二職員は、1998年7月に解雇されたが、翌年3月に津地方裁判所四日市支部において解雇事由が存しないということで、聖母の家職員としての仮の地位を認められました。ところが、理事会が復職を認めないため、本訴で争われ、04年5月28日に第一審判決が出されました。ところが第一審は、仮処分と全く逆に、仮処分では信用できないとしていた聖母の家の主張を鵜呑みにし、解雇有効の判決でした。
そのため、加藤さんが名古屋高等裁判所に控訴し、05年6月7日に控訴審判決が言い渡されることになっています。
本件は、加藤光二職員に解雇事由が存するか否かとともに、加藤光二職員側が、聖母の家における利用者に対する人権侵害を改善しようとして活動したことを管理者から嫌悪された報復解雇であると主張し、聖母の家に人権侵害が存するか否かが大きな争点になっているため、裁判所の判断が注目されます。

投稿者 human : 1994年01月01日 18:06